朝ドラ『ブギウギ』では、『アイレ可愛や』という新曲が誕生しました。
この曲は、実際に笠置シヅ子さんが戦時中に歌っていた名曲の1つです。
この『アイレ可愛や』とは、一体どんな意味なのでしょうか?
また歌詞に出てくる『村娘』のモデルがいるのかなど、歌の内容も解説していきます!
笠置シヅ子「アイレ可愛や」とはどんな曲?
趣里さんがヒロインを努める朝ドラ『ブギウギ』。
戦時中で、エンタメの規制も厳しくなる中、ヒロイン・スズ子の持ち歌に『大空の弟』と『アイレ可愛や』が加わりました。
『大空の弟』は戦死した弟・六郎をテーマにした曲。
一方で、『アイレ可愛や』という歌はどんな曲なのでしょうか?
この曲の舞台は、南方の村、つまり、現在の『東南アジア諸国』です。
昭和15年(1940年)頃から、日本は『南進政策』として、資源を求めて東南アジア諸国へと侵略の手を広げていきました。
この頃は『アイレ可愛や』の他にも、「南進」ということばの付いた歌謡曲や映画もたくさん生み出されていました。
それだけ、日本が南方に戦力を伸ばしていくことに、国民全体が期待していた時代背景が伝わってきますね。
「アイレ可愛や」を作曲した服部良一先生(羽鳥先生のモデル)の手により、エキゾチックかつオリエンタルな雰囲気の曲調が印象的です。
「アイレ可愛や」は、戦争中に笠置シヅ子が慰問で歌い続けていたこともあり、戦後の昭和22年にレコードがリリースされ、大ヒットとなりました。
「アイレ可愛や」の歌詞の意味とは?村娘のモデルについても!
そんな笠置シヅ子のヒット曲「アイレ可愛や」とは、一体どんな意味なのでしょうか?
「アイレ」とは、女の子の名前です。
そのため、「アイレ」という言葉自体には、特に意味はないようです。
「ラッパと娘」の「バドジズ」のように、歌の雰囲気に合うような造語なのではないかと思われます。
そのため、歌詞の中には「アイレ」の他に、「アイヤラレー」「アイヤ」などの掛け声のようなフレーズも使われています。
そんな「アイレ可愛や」では、村娘である「アイレ」が、小鳥と戯れる様子が描かれています。
この「アイレ」という村娘には、モデルはいるのでしょうか?
調査しましたが、実際、この村娘にモデルがいたかどうか定かではありません。
ただ、当時の「南方歌謡」では、男ではなく「未婚の娘」がよく題材になっていたそうです。
「アイレ可愛や」の曲調から分析すると、題材は「スマトラ」や「ジャワ」などではないかと言われています。
そのため、「アイレ」は東南アジア(スマトラ・ジャワ周辺)の村に住む若い娘と想像できます。
もしかして、スズ子の弟子「小夜(さよ)」のような田舎娘がモデル?とも思いましたが、東北地方でもなく、遠い南の国の娘ということでした。
このように可愛らしい娘をテーマにすることで、日本が推し進める南進政策を美化していたのかもしれませんね。
ただ、歌詞の中には「白い鳥」が登場するので、「平和」や「幸せ」への願いが込められた曲なのではないでしょうか。
「白い鳩」は平和の象徴だもんね。
まとめ
今回は、朝ドラ「ブギウギ」でも登場する笠置シヅ子さんの「アイレ可愛や」について取り上げました。
「アイレ」の意味は、女の子の名前であり、東南アジアの村に住む可愛らしい娘をイメージして作られたようです。
ブギウギでも、スズ子の持ち歌となりますが、どのように歌われていくのか楽しみですね。
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