朝ドラ「らんまん」の最終話、ついに竹雄と綾が登場しました。
2人は沼津の酒蔵で、「輝峰」という日本酒作りに成功したのです。
この「輝峰」モデルの酒は実在するのでしょうか?
【らんまん】竹雄と綾が沼津で日本酒造りに成功!
朝ドラ「らんまん」最終話では、春に竹雄と綾が訪ねてきました。
ついに、綾の念願であった日本酒が出来上がったのです!
そのお酒の名前は、
輝峰(きほう)
です。
甑倒しを終えた竹雄と綾が、新しい酒を持って上京してきました。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) September 28, 2023
新しい酒の名前は、「輝峰(きほう)」。
今日も生きて暮らしていく、そういう人の営みとともにある名にしたかったと言う綾。
綾と竹雄の思いが詰まったお酒が完成しました🍶#朝ドラらんまん#志尊淳 #佐久間由衣 pic.twitter.com/ow3DP29iVw
万太郎の生家の酒蔵「峰屋」の看板商品は「峰の月」でしたね。
綾たちの新天地の静岡・沼津で酒造りをしましたが、ちゃんと「峰屋」のスピリットを込めていました。
綾は、「今日も生きてる、人の営みと一緒にあるって名前にしたかった」と命名に込めた思いを語りました。
「月」とは対照的に、キラキラと輝く「太陽」のようなイメージかもしれません。
光に照らされて、生きる活力が湧いてきそうな素敵なネーミングです!
綾は以前、「キリッとした辛口の酒を作りたい」と話していましたから、納得のいく味の酒ができたのでしょう。
病弱な寿恵子でしたが、ずっと楽しみにしていたお酒を味わい、嬉しそうにしていました。
このように、竹雄と綾の酒「輝峰」は、宴会に花を添えたのでした。
もちろん、「清酒酵母」の研究に携わった藤丸の貢献も大きいでしょうね!
【らんまん】日本酒「輝峰(きほう)」モデルの酒は実在する?
「輝峰」のモデルの酒はない
竹雄と綾が沼津で作り上げた日本酒「輝峰」。
この酒のモデルは実在しているのでしょうか?
残念ながら、「輝峰」のモデルの酒は無い可能性が高いことがわかりました。
というのも、竹雄と綾のモデルの「井上和之介」「牧野猶」はその後、
- 醤油店
- 漁業
という酒とは違う分野の商いを始めたのです!
酒屋を売却し、高知県から静岡県焼津へ転居した後、ブリ漁業の網元となり、安定した生活を送っていたんだとか。
そのため、2人がその後、酒造りをしたというのはドラマのオリジナルの展開なんですね!
藤丸モデルも酒造りの記録なし
また、酵母菌の研究をした藤丸次郎のモデル「田中延次郎」さんについても調査。
ドイツに留学して酵母の研究をした史実はあったので、酒造りに関心を寄せていたことは間違いありません。
ドイツですから、ビール酵母などの研究をしていたのかもしれませんが、その後なんらかの酒造りに関わったという情報はないのです。
ちなみに、「田中延次郎」の実家は、藤丸と同じく「酒問屋」でした。
ただ、実家の屋号などの情報がないため、実家の酒問屋との関わりも不明となっています。
しかも、田中さんは妻に先立たれ、41歳の若さで亡くなっているのです・・・。
一方、ドラマでは、しっかり歳をとった藤丸が登場しましたね!
独特な前髪が気になる人続出でした。
「輝峰」の味を予想してみた!
藤丸は以前、
今年はちゃんと仕込めてる。
醸造協会から清酒酵母を分けてもらったしね。
と話していました。
これは、関東大震災直後の昭和2年の話でした。
当時の醸造協会(日本醸造協会)が頒布していたのは、
「協会第5号」という酵母です。
この酵母は、広島県の「賀茂鶴酒造」の酒から分離されたものでした。
記録によれば、この酵母から作った酒の味は、
果実様の芳香(のちにいう吟醸香)で評価が高かった。
とされています。
協会5号
1923年(大正12年)ごろ広島県西条(現 東広島市)の『賀茂鶴』の酒母または新酒から分離された。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E4%BC%9A%E7%B3%BB%E9%85%B5%E6%AF%8D#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92%E3%81%AE%E5%8D%94%E4%BC%9A%E7%B3%BB%E9%85%B5%E6%AF%8D
果実様の芳香(のちにいう吟醸香)で評価が高かった。
形態は長楕円形の細胞が多く、他の酵母との区別が比較的容易である。
1925年(大正14年)より1936年(昭和11年)まで第5号酵母として日本醸造協会から頒布された。
そのため「輝峰」は、
- 辛口(綾の希望)
- 果実のような香り
という特徴のある日本酒に仕上がっていた可能性も。
ドラマでは「ほのかに甘い」との感想もありましたから、万人に飲みやすいような味わいかもしれません。
もちろん、仕込み水や米・米麹などで日本酒の味は変わるでしょうが、少しだけイメージが湧きそうです。
架空のお酒ではありますが、想像してみると面白いですね!
【らんまん】峰屋を受け継いだ酒蔵は現在も佐川町に!
司牡丹酒造が岸屋を受け継ぐ
残念ながら、綾と竹雄の酒「輝峰」という日本酒は存在しないということでした。
ただ、峰屋のモデル「岸屋」を受け継いだ酒蔵は現在も高知県佐川町に残っているんです!
それが、
司牡丹酒造(つかさぼたんしゅぞう)
さんです!
牧野博士の実家「岸屋」は、博士への多額の仕送りで経営が悪化。
その後、人の手に渡ってしまいます。
(ドラマでは「火落ち(腐敗)」が原因でした)
最終的に、その酒蔵を譲り受けたのが現在の「司牡丹酒造(黒金屋)」。
あの坂本龍馬との関係もあり、龍馬が飲んだ酒としても有名な酒蔵です!
峰屋「峰の月」にあたる酒は「菊の露」という銘柄だったそうです。
「岸屋」の酒蔵の建物も「司牡丹酒造」へ受け継がれました。
しかし、統合された時点で「菊の露」という酒は無くなってしまったようです。
そんな岸屋の名残を残した建物は、老朽化の影響で台風で倒壊してしまったんだとか・・・。
牧野博士の生家でもあったので、残念ですよね。
牧野博士ゆかりの酒「花と恋して」
岸屋の名残は無くなってしまいましたが、牧野博士ゆかりの酒として「花と恋して」というお酒が販売されてます!
「純米吟醸酒」「純米酒」「特別純米酒」の3シリーズ。
らんまんの人気もあって話題の商品となっています。
こちらは、定番の「純米酒」です。
原料米には高知県産の永田農法「山田錦」と高知県産酒造好適米の「吟の夢」を使用、酵母には、AC95、CEL19、H21という3種類の高知酵母を駆使し、純米酒でありながらリンゴ系の香りとバナナ・メロン系の香りの両方の吟醸香がバランス良く感じられます。
引用:https://www.tsukasabotan.co.jp/standard/hanakoi2.html
- 酒質 純米酒
- 日本酒度 +5前後
- 酸度 1.3前後
- アルコール分 16度以上17度未満
- 原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
- 原料米(精米歩合) 65%
- 容量 720ml
- 価格 1,570円(消費税込み)
高知県佐川町の「ふるさと納税」の返礼品にもラインナップされていますので、今年の納税先を迷われている方はぜひ参考にしてみてください。
牧野博士ゆかりの酒「マキノジン」
さらに、岸屋の蔵があった場所は現在、「マキノ蒸留所」として牧野博士ゆかりのクラフトジンを作っているのです!
その名も、「マキノジン」。
このジンには、数種類のハーブ・スパイス等の他、あの「スエコザサ」も原料となっているんです。
キーボタニカルに、牧野博士が妻の名前から命名したスエコザサを使用し、高知県産のグアバ、ブシュカンやショウガ、ハーブなど全12種類を、司牡丹の焼酎に漬け込んで蒸溜しています。
引用:https://www.makinogin.com/
- アルコール分 45度
- 内容量 700ml
- 価格 3,700円(税込)
アジア風のエキゾチックな味わいが魅力で、食中酒にもピッタリなんだとか。
これは、らんまんファン(特に寿恵子ファン)にはたまらない商品ではないでしょうか。
ちなみに、「マキノジン」もふるさと納税の返礼品(13,000円以上)となっていますので、要チェックです!
まとめ
今回は、らんまんの最終回に登場した日本酒「輝峰」のモデルの酒は実在するのかについてご紹介しました。
竹雄と綾のモデルにになった人物は、酒造りとは別の道に進んでいるので、モデルの酒は無いという結論に至りました。
しかし、「岸屋」を受け継いだ酒蔵は現在も牧野博士の地元の佐川町に現存しており、様々なお酒造りをされていました。
らんまんロスの方は、ぜひ関連記事も覗いてみてくださいね。
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