朝ドラ「らんまん」の第77話に「揚げ芋」が登場しました。
その名の通り、ジャガイモを薄めにスライスして油で揚げた料理ですが、実際に明治時代にあったものなのでしょうか?
また、つわりで何も食べられない妊婦の寿恵子が「これなら食べられる!」とパクパク食べられていたのも不思議でしたよね!
そこで今回は、
- 揚げ芋は明治時代に本当にあった?
- 揚げ芋(フライドポテト)とつわりの関係はなぜ?
についてまとめていきます!
【らんまん】つわりで何も食べられない寿恵子に「揚げ芋」
2023年上半期の朝ドラ「らんまん」。
明治時代が舞台のこのドラマですが、「揚げ芋」なる料理が登場しました。
📢まもなく、0時45分~はお昼の再放送です!
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) July 18, 2023
油を切って皿に盛り付け、塩を振った揚げ芋🥔
万太郎と丈之助が大絶賛していました🤩
みなさんもぜひ作ってみてください!#朝ドラらんまん pic.twitter.com/GltChiXawJ
「揚げ芋」が登場したのは、第77話。
主人公の槙野万太郎の妻・寿恵子(浜辺美波)に、主人公の大学の友人・藤丸が作ってあげたもの。
寿恵子は第一子を妊娠中で、悪阻(つわり)がひどく、食欲が全くありませんでした。
そんな寿恵子のために、藤丸は、「義理の姉がつわりの時、これなら食べられてたから」と料理をスタート。
まず、藤丸は、ジャガイモのような芋を1センチくらいの厚さにカットし、
そのまま油で素揚げに。
最後に、塩を振りかけていました。
とてもシンプルな料理です。
そして、寿恵子が藤丸が作った「揚げ芋」を恐る恐る口に運ぶと・・・
「これなら食べられる!!」と笑顔でパクパク。
得意げな藤丸と、ほっと安心した様子の万太郎も印象的でした。
#らんまん観察日記📸
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) July 23, 2023
万太郎&藤丸&丈之助のオフショットをお届け🥔
三人で揚げ芋に塩を振りかけるポーズを🧂#Instagramには別カットも!#朝ドラらんまん#神木隆之介 #山脇辰哉 #前原瑞樹 pic.twitter.com/z58s2s6XOR
【らんまん】揚げ芋は実際に明治時代に食べられていた?
このジャガイモを揚げた料理「揚げ芋」は、本当に明治時代に存在していたのでしょうか?
調査したところ、「揚げ芋」は一般的ではないが存在していた可能性がある!ということが判明しました。
というのも、「ジャガイモ」は、
明治時代から栽培が始まった
として伝えられています。
ジャガイモの原産地は南米のアンデス高地ですが、日本には江戸時代にオランダから入ってきました。
その後、食用として本格的に栽培が始められたのが明治時代で、当時は、
男爵芋の「アイリッシュ・コブラー」
という品種が一般に出回っていたそうです。
このように「揚げ芋」の材料となるジャガイモは、明治時代から徐々に食べられるようになったことがわかりました。
では、「揚げて食べる」という調理法は一般にされていたのでしょうか?
平安時代から「揚げ物」は存在していましたが、一般的に広まったのは江戸時代。
油の生産量が増加したことが一因でした。
今でこそ「天ぷら」は高級料理の1つですが、当時は「屋台の味」として、広く民衆に食べられていたことがわかっています。
現代の「ファーストフード」「おやつ」といった感覚ですね!
実際に、天ぷらとして食べられていた食材は、
- さつまいも
- レンコン
- 魚
- えび
など。
7月展「東海道を味わう」にあわせて、館内では、江戸時代に生まれた食文化(そば、天ぷら、寿司…)を模型で紹介しています。 pic.twitter.com/FsuTy6ZkfL
— 広重美術館(休館中) (@hiroshige_tendo) July 7, 2019
「ジャガイモ」は、江戸時代には栽培されていませんでしたが、
「油で揚げる文化」については定着していたことがわかりました。
その後、明治時代に栽培が徐々にスタートしますので、
らんまんの時代(明治10年頃)は、「揚げ芋」はまだまだ珍しい料理だった可能性が高いでしょう。
実際に、ドラマ内でも、長屋の住人たちも珍しそうに食べていましたよね!
ただ、なぜ、藤丸はこの料理を知っていたのかが気になるところ。
ここからは推測にはなりますが、東京大学の学生である藤丸の家庭は比較的裕福であると考えられます。
そのため、海外の最新の食べ物や料理に対するアンテナも高く、普段から食卓に取り入れていた可能性があるのではないでしょうか。
もしくは、藤丸の兄や義理のお姉さんに留学の経験があり、海外の「フライドポテト」という食べ物を知っていたのかもしれません。
当時は、男性が料理をするのは珍しかったでしょうから、藤丸の優しさにほっこりする良い場面でしたね。
【らんまん】揚げ芋・フライドポテトが妊婦に人気の理由はなぜ?
つわりを経験した人からは、「確かにフライドポテトなら食べられた」「あれは魔法の食べ物だった」と共感する声が多く寄せられていました。
一体、なぜ「フライドポテト」なら食べることができるのでしょうか?
調査したところ、「アンモニア臭が少ない」ということが理由の1つのようです。
【つわり妊婦にマックのポテトが人気なのには理由があった】
— めんみサブ☺︎3回目のツワリとの闘い (@menminosabuaka) August 18, 2023
つわりになると妊婦はアンモニア臭に敏感になるんだけど、ジャガイモはアンモニア含有量が少ない上に、つわりの吐き気を抑えるMgやKが豊富。更につわりの症状を抑えるNaとCl(つまり塩)も効率良く摂れる。
#めんみのつわり飯 pic.twitter.com/XGrOe5vDiu
上記の通り、妊婦はホルモンの変化によって「臭い」に敏感になります。
特に「アンモニア臭」を不快を感じることから、食べ物に対して気持ち悪く感じてしまうことが多いそうです。
よく「炊いたごはんの匂いで吐いてしまう」というシーンがテレビでも見かけますよね。
あれは、「稲」には栽培時からのアンモニアが多く含まれていることが原因なんだとか。
一方で、「ジャガイモ」はアンモニア含有量が少ない食材。
さらに、吐き気を抑える「マグネシウム」や「カリウム」が豊富なのです。
また、塩を振りかけることで、つわりの症状が抑えられることも実験でわかっています。
ジャガイモ単体だけでなく、「塩分」も大切なんですね!
妊婦にとって魔法の食べ物と言われる「フライドポテト」に、こんな秘密があったとは驚きです。
「なぜか食べたくなる」というのは、きちんと根拠がある現象だったことがわかりました。
何も食べられないと心配になりますが、「フライドポテト」は妊婦さんの救世主ですね。
まとめ
今回は、朝ドラ「らんまん」に登場した「揚げ芋」という料理について取り上げました。
「揚げ芋」が実際に明治時代に食べられていたのかは確認できませんでしたが、ジャガイモは伝来していたので、そのような調理法もあったと考えられます。
つわりで苦しむ寿恵子の救世主となった「揚げ芋」。
現代の「フライドポテト」とつわりの不思議な関係もあり、妊娠経験者の中で話題となったシーンになりました。
「らんまん」に登場したあのお菓子についてもこの記事で紹介しています!
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