笠置シヅ子さんをモデルにした朝ドラ「ブギウギ」では、娘・愛子をターゲットにした脅迫文が届くという誘拐事件が発生します。
これは、笠置シヅ子さん本人の身に実際に起きた事件が元になったエピソードです。
そこで今回は、笠置シヅ子さんの娘の誘拐(脅迫)事件の真相、犯人の名前・顔画像などを史実をもとにご紹介していきます。
笠置シヅ子の誘拐脅迫事件の史実!
戦後のスター歌手・笠置シヅ子さんには、一人娘の亀井エイ子さん(ブギウギ「愛子」のモデル)がいます。
当時、シングルマザーとして娘を育てていた笠置シヅ子さん。
その娘さんをターゲットにした脅迫・誘拐未遂事件が発生したのです。
自宅に脅迫状が届く
1954年(昭和29年)3月31日、笠置シヅ子さんの世田谷の自宅に「脅迫状」が届きます。
匿名で、
オレたちの結社に金がいるから天神橋下に六万円おけ。
さもないと一人娘を殺すぞ。
というショッキングな内容でした。
当時の貨幣価値については、こちらの記事で詳しく解説しています。
この時、娘のエイ子さんは6歳。
この春に小学校に入学するというタイミングでした。
笠置シヅ子さんは、3月31日〜4月8日にかけて、電話も含めて合計9回の脅迫を受けたそうです。
当時の新聞には、録音した犯人の声を聞いている笠置シヅ子さんの写真も掲載されていました。
当時、逆探知などの技術はまだなかったため、「この声に聞き覚えはあるか?」という捜査の一環だったと思われます。
取引場所に来た犯人を逮捕
犯人が指定した身代金の受け渡し日は、1954年(昭和29年)4月8日。
当時の笠置シヅ子のマネージャーが、指定場所(自由が丘駅前)に向かいました。
用意したお金(新聞で作った偽物)を犯人が受け取った後、街頭の人々に紛れていた刑事たちが犯人を確保。
笠置シヅ子を脅迫した犯人は、その場で現行犯逮捕されています。
幸いにも、娘が誘拐されることはなく、事件は一件落着となりました。
翌年にも同様の事件が
実は、この事件の翌年(1955年9月)にも、同様の手口で笠置シヅ子さんに脅迫事件が起きています。
なんと、以前逮捕された同じ犯人だったのです。
当時、このような有名人を狙った身代金目的の脅迫・誘拐事件は少なくありませんでした。
雑誌などで「スターたちの豊かな暮らしぶり」がもてはやされている一方で、その暮らしぶりを妬む庶民も多かったことが伺えます。
自分の一番の弱みであり、大切な娘を狙われた笠置シヅ子さん。
かなりショックを受けていたようで、
家に閉じこもったまま怯えていました
と当時の心労を語っています。
笠置シヅ子の誘拐脅迫事件の犯人の名前・顔画像は?
笠置シヅ子とその娘を巻き込んだ誘拐脅迫事件の犯人は、一体誰だったのでしょうか?
この犯人について調査したところ、
- 30歳
- 無職の男
ということのみが判明しています。
名前や顔画像などの情報はありませんでした。
ネット上では、この事件の犯人として「横田武夫」という名前が出ていますが、新聞記事などの証拠はありません。
なお、年齢的にも、すでに亡くなっている可能性が高いでしょう。
1度ではなく、2度も笠置シヅ子さんと娘を脅迫したこの犯人。
一体、なぜこんな事件を起こしたのでしょうか?
事件を起こした動機について、犯人は、
結婚することになっていたのに、失業してお金に困っていた
と話していたそうです。
ただ、翌年にも同じ事件を起こしているので、「結婚」というのも事実なのか分からないですね。
そして、なぜこの犯人は「笠置シヅ子さん」にこだわったのか・・・
そのはっきりとした理由までは伺い知れません。
ただ、当時は「芸能人のプライベート」というものは筒抜け状態。
- 家の住所
- 出身地
- 生年月日
- 家族・使用人・ペットの名前
までが一部の娯楽雑誌に掲載され、売り上げを伸ばしていました。
実際、笠置シヅ子さんの豪華な自宅の外観や部屋も、雑誌で取り上げられています。
当時は、個人情報を載せて話題にすることで、映画・レコードなどの売り上げに繋げる相乗効果も狙っていたようです。
そのため、「有名人だからターゲットにされても仕方ない」という世間の風潮もあったとか・・・。
ただ、笠置シヅ子さんはこの事件の後、娘をメディアには一切出さないことにしたそうです。
一方で、娘を小学校に電車で通わせていたというエピソードもあります。
また、娘さんの現在の姿については、こちらの記事でご紹介しています。
まとめ
今回は、笠置シヅ子さんの娘を狙った脅迫・誘拐未遂事件の史実と、犯人について取り上げました。
1950年代の事件のため、当時の犯人の名前や顔画像などの詳細についての情報は残っていませんでした。
ただ、この事件がきっかけで、笠置シヅ子さんは自分のプライベート、特に娘をメディアには露出しない方針へと変えています。
大切な娘の命が脅かされるというこの事件は、笠置シヅ子さんにとってもかなりショッキングな出来事だったようです。
なお、笠置シヅ子さんの最愛の人(娘の父親)については、こちらの記事でご紹介しています。
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