真田広之さんが主演を務めるドラマシリーズ「SHOGUN将軍」。
第4話の終盤、寝ている按針(ジョン・ブラックソーン)の部屋にそっと誰かが入ってくるシーンが描かれました。
そのまま2人は熱い夜を過ごし・・・
翌朝、鞠子様は「遊女がお気に召したようで」「藤様とわたくしからの贈り物です」と、按針に対応します。
え?鞠子さま、どういうこと?
一体、第4話の夜の「遊女」とは誰だったのか気になった人も多いはずです!
そこで今回は、ドラマ内のやりとりを振り返りながら、
- 遊女の正体は誰だったの?
- 第4話での鞠子の心情は?
- 史実はどうだった?
について深掘りしていきます!
SHOGUN将軍:第4話「八重垣」のあらすじ
第4話のあらすじ
危機一髪の大坂脱出の後、虎永たちは藪重の領地である網代の小さな漁村に戻った。
SHOGUN公式ホームページより
按針は、西洋の戦術を教えるように命じられた際に海戦の知識を頼りに大砲のデモンストレーションを行うと、その威力と正確性が藪重らを驚かせた。
また妻になるよう命じられた藤の方と、引き続き通詞として側にいるよう命じられた鞠子とともに、按針の新生活が始まった。
大坂から網代に戻り、虎永から「旗本」の役職を与えられた按針。
屋敷では、文化の違いに戸惑いながらも、藤の方(正室)と鞠子様(通訳)との共同生活がスタートします。
この状況に「按針、美女に囲まれて羨ましいな・・・」と思ってしまいました。
SHOGUN将軍:第4話の「遊女」は誰?
結論からお伝えすると、第4話の夜のシーンで、按針と結ばれたのは「鞠子様」です。
なぜそう言い切れるのか・・・
主な理由は以下の2つです!
- 風呂のシーンで2人の心が通じ合っていたから
- 夜のシーンで「鞠子の顔」が写っているから
内容を詳しく見ていきましょう!
露天風呂での密会
按針の屋敷の夕食を終えた後、按針は海が見える露天風呂に向かいました。
その様子を見に来た鞠子様に裸を見られ、びっくりする按針。
風呂に入る按針のそばで、鞠子様は「過去に全てを失ったこと」について話し始めます。
どうしようもなかった自分に虎永が道(解決策)を示してくれたのだ、と。
それ以上は語らない鞠子でしたが、按針はそんな鞠子に「君は素晴らしい」と伝えます。
按針の励ましの言葉に、ふっと表情が緩む鞠子でした。
まだよく知らない相手に自分のことを語る時点で、按針に心を許し始めている鞠子の心情が伺えますね。
家柄や過去を知らない相手だからこそ話しやすかったというのもあるでしょうし、按針が無防備に風呂に入っているという状況が鞠子の心をオープンにさせたのかもしれません。
ロンドンの妄想デートが鞠子を癒す
生まれ故郷の「ロンドン」について語り始めた按針。
もし鞠子と二人でロンドンを訪れたなら「女王に会わせる」という。
「宮殿に行き、美味しいご飯を食べ、芝居を見に行こう」と妄想デートを語る按針。
それを楽しそうに聞き、話に乗ってくる鞠子。
最後には「テムズ川沿いを散歩をしよう」と提案します。
テムズ川沿いは夜景が素晴らしく、そこを歩けば、悩み事や過去も忘れられる、全て消え去る・・・・と。
按針の話を聞いた鞠子は、「そして、自由になれるのね」と返答します。
”鞠子を苦しみから解放したい”と思う按針の健気な優しさが感じられ、その気持ちを鞠子も受け取ったようにも感じられました。
誰かが按針の部屋へ・・・
帰ってきた鞠子は、自分の部屋に戻り、ロウソクの火を見つめています。
その瞳は、鞠子の心が暖かいもので満たされているように感じられます。
そして、何かを決心したように火を吹き消す鞠子。
一方、按針の部屋。
藤の方がロウソクを可愛く消し、「おやすみなさいませ」と部屋を出て行きました。
しばらくすると、寝巻き姿の髪の長い女性が按針の部屋に入ってきます。
按針の体にそっと手をかけると、驚いて起きる按針に「声を出さないで」とジェスチャー。
自分の着物に触れさせ、スキンシップを始めます。
按針も何かを悟ったかのようにその女性を求め、二人はその夜、愛し合うのでした・・・。
暗くて少し見えにくいシーンですが、うっすらと見える輪郭は「鞠子様」で間違いないでしょう!
実際のシーン
SHOGUN将軍:第4話で鞠子が「遊女」とはぐらかした理由は?
ということで、「SHOGUN 将軍」第4話で按針と枕を交わしたのは鞠子様でした。
しかし、翌朝の会話で、鞠子は、按針の部屋に行ったのは「遊女」であり、「私と藤からの贈り物」だと言うのです。
一体なぜなのでしょうか?
翌朝のやりとりを振り返ってみましょう。
「遊女がお気に召したようで」
雨が降る翌日の朝。
縁側では、藤と按針がお茶を飲んでいました。
「雨が美しいね」「雨がいい!」と気分良く語る按針。
そこへ鞠子様がやってきます。
大きな声で「Good Morning!」と声をかける按針。
鞠子様はニコッと笑い、「上機嫌ですこと」とあしらいます。
その後の会話がこちら!
按針:そりゃそうだ。最高の夜だった。
鞠子様:あら、遊女がお気に召したようで。よかった。
鞠子様:藤様と私からの贈り物です。
(藤様、ちらっと鞠子様をみる。)
按針:訳がわからない、あれは・・・
按針:(何かを悟り)心のこもった贈り物だったよ。
鞠子様は、ふっと笑みを浮かべました。
按針の切り替えも早かったね!
考察①:恋愛関係を望んでいないから?
按針の相手をしたのが自分だと明かさず、「遊女」と表現したのはなぜなのでしょうか?
そもそも鞠子は「恋愛関係にはなれない(ならない)と割り切っていた」からだと感じました。
なぜなら、
- 按針はいずれロンドンに帰る(※既婚者)
- 鞠子には虎永から与えられた使命がある(※死と隣合わせ)
という理由があるから。
ただ、大砲の訓練のときに鞠子様が按針に見とれているシーンがありました。
鞠子に按針への恋愛感情が芽生え始めていることが分かります。
そして、お風呂での会話で心が通い合ったことで、鞠子が「按針と結ばれたい」と思ったのは自然な流れに見えました。
さらに、按針が傷の手当のときに医師から「体が固まっておる」と注意されていたように、当時、男女の肉体的な交わりが健康維持のために必要だと考えられていました。
鞠子は自分の気持ちの昇華のため、そして按針の健康のためにも、「心がこもったお返しがしたい」という想いが芽生え、大胆な行動に走ったのではないかと個人的には解釈しました。
※戦国時代までは、夜這いが女性からも普通に行われていたという話もあります。
当時は貞操観念が独特(軽かった)という時代背景もあるかもしれません。
夫の”文太郎”こと戸田広勝は大坂で殉死したから、鞠子はフリーの身だしね!
そんな流れから、翌朝には「一夜限りの遊び」と鞠子は線を引き、大人の対応をしたのではないかと感じました。
按針もそれを感じとったからこそ「いい贈り物だった」と答えられたのでしょう。
「八重垣」という第4話のタイトルにもシンクロして「本心を心の奥にしまう」というエピソードの1つに演出したかったのかも。
考察②:藤に遠慮した?
また、鞠子は、按針の正室(妻)である藤の方に遠慮した可能性もあると感じます。
夜のシーンを見ていて「え、藤様がいるのにいいの?」とハラハラした人も多いはず。
「遊女」ということにしてしまえば、妻がいようが無かろうが、当時は「武士の嗜み」という感覚ですから、うまく誤魔化せると思ったのかもしれません。
一方で、鞠子と藤の関係を復習すると「鞠子は藤の叔母さん」なんですよね。
ですから、
- 身内には「夜這い」のことは隠したい
- 可愛い姪と気まずい関係は避けたい
というのが自然だと感じます。
藤と鞠子は、同年齢くらいに見えますが、関係的には「母と娘くらいの歳の差」。
按針と鞠子の会話だけを見ていると「これは大人(こっち)の話よ」と、クールに対応している素振りが感じられました。
そもそも、昨晩、按針の部屋に行く前に、藤に話を通していたのか?も気になるところです。
藤は昨晩のことを知っていたのか・・・?
翌朝、藤がチラチラと鞠子をみる素振りからは、「え、何かあったの?」にも見えますし、「え、昨日は叔母さんが部屋に入ったよね?」という確認にも見えます。
ただ、鞠子が按針の部屋に入った際に、「口を押さえる(声を出さないで)」とジェスチャーしていることからも、「誰にも言わずに部屋に入ってきた=藤は知らされていない」という可能性が高いと感じました。
一方で、「あれは藤と私からの贈り物」と表現している点は気になります。
そのとき藤は何も発言していなかったので、藤が気づいていた(何か知っていた)としても、尊敬する叔母さんに対しては口を挟めない立場なのかな・・・と個人的には感じました。
夕飯の時に銃と刀の交換をして絆が深まったので、もしかして「遊女=藤?」とも思った人も多いかも。
鞠子と按針のモデルは恋愛関係だった?史実との比較
最後に、鞠子と按針のロマンスについて、史実ではどうだったのでしょうか?
鞠子のモデルは「細川ガラシャ」、按針のモデルは「三浦按針」だと公式に発表されています。
史実を調べたところ、
- 徳川家康(虎永のモデル)が二人の仲を取り持った事実はない
- 二人は実際に会ったこともない
ということが判明しています・・・。
ちょっと残念なような気もしますね。
実際、大名家の女性たちは厳しく隔離されていた時代で、肉親以外の男性と会う機会はほとんどなかったそうです。
ですから、按針と鞠子の微妙な関係というのは、ドラマの完全なオリジナルストーリーということになります!
また、細川ガラシャは「敬虔なクリスチャン」として知られています。
一部からは「SHOGUN」での性的な描写に関して批判的な意見もあるんだとか・・・。
個人的には、濡れ場が出てきた時点で「あ、やっぱりハリウッドだからあるよね~」という感覚でした。
第4話で描かれた「日本人女性→欧米男性」という構図が、男性が喜びそうな妄想を画面の中で表現した(一種のサービスシーン)のかなと感じました。
実際に、細川ガラシャさんがどんな女性だったのかは分かりません。
しかし、ドラマの中の鞠子の心理的な描写が丁寧に描かれていますし、普段は教養が高く信心深いキリシタンですので、決して「軽い女」には見えないように配慮されているのではないでしょうか。
まとめ
今回は、話題のドラマ「SHOGUN将軍」の第4話の夜のシーンについて深掘りしていきました。
「遊女」とされた女性は実際には鞠子であり、大胆な行動にドキドキしたシーンでしたね。
史実を見てみると、二人のモデルが出会っていたという事実はありませんので、二人のロマンス的な関係は、原作含めドラマ上のオリジナルストーリーということです。
一部、個人的な解釈も含めてご紹介しましたが、皆さんはどう思いましたか?
ご意見や感想などがあればコメント欄にお待ちしております!
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